- 歯を動かす時に痛みはありますか?どのような感じですか?
- 矯正治療では、骨の中で少しずつ歯を動かしますので個人差はありますが、多少の違和感がでます。歯と歯の間に物が挟まった感じという方もいらっしゃいます。ただ違和感はずっと続くのではなく、装置の調整後2〜3日で治まり、その後約1ヶ月後の調整までは平気なことが多いようです。
- 大人になってからと成長があるうちの矯正治療での違いはありますか?
- 大人になってからも当然矯正治療は可能です。ただ骨の成長が終了してしまっているため抜歯が必要となることが多いのが現状です。一方、お子様の矯正治療では、下顎が小さいことによる出っ歯さんには下顎を大きくしてあげるような装置を選択したり、と、より根本的な治療が可能となり、理想的な咬み合わせを作ることができるといえます。
- 装置が壊れたばあい、追加料金はかかりますか?
- 矯正歯科治療に用いる装置は、取り外しのできるものも、お口の中に固定式のものも、年単位で使用していくことが多いため、疲労して壊れてしまうこともありますが、そのばあい、さらに追加料金はかかりません。ただし、患者様の不注意により破損してしまったばあいは装置の製作料を実費お支払い頂くこともありますので、大切に扱っていただく必要はあるかと思います。
- 装置が目立たないか心配。
- 当院では目立たないブラケットやホワイトワイヤーを準備しておりますのでご安心ください。
- 矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用はありますか?
- 矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用についてご説明します。
- ① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。(数日~1、2週間で慣れることがほとんどです。)
- ② 歯の動き方には個人差があるため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- ③ 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクがありますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えてくることがあります。
- ⑤ 歯を動かすことにより歯の根が吸収して短くなること(歯根吸収)が生じる可能性があります。
- ⑥ 歯を動かすことにより歯肉がやせて下がること(歯肉退縮)が生じる可能性があります。
- ⑦ ごくまれに歯を動かすことで歯の神経が障害を受け、歯の神経が壊死することがあります。(その場合は歯の神経の治療をする必要があります。)
- ⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- ⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- ⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- ⑫ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- ⑭ 矯正歯科治療で歯を動かす装置が外れた後、保定装置(リテーナー)を所要時間使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- ⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- ⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
- ⑱ 加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- ⑲ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
日本矯正歯科学会「矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用」より改変・転載
- 矯正歯科治療中に食べ物の制限はありますか?
- キャラメル、ガム、グミ、お餅など粘着性のある食品は、装置に引っ掛かることがあります。
また、氷や飴を奥歯で強く噛むと、装置の外れや破損が生じます。
これらの食品は、食べるのを控えていただくか、食べる際には注意していただきたいと思います。
- 歯磨きは大変になりますか?
- 歯に何もつけない状態と比較すると歯磨きは大変になります。矯正装置を付けることで歯が磨きにくくなるため、虫歯や歯周病といったお口の中の病気になる方もいらっしゃいます。そのため当院では、装置装着時に自宅ケアの仕方をご説明いたします。
- 矯正歯科治療が終わったあと、もとに戻ったりしませんか?
- すべての患者さんは、矯正装置をはずした後に保定(後戻り防止)を行う必要があります。装置をはずした直後の歯はかなり動揺していますので、きちんと保定を行わないと歯が動き出す場合があります。
通常、この保定には保定装置(リテーナー)という後戻りを防止する装置を用います。この装置をきちんと使用することも矯正歯科治療の大事な一部です。
保定期間は2年間必要です。その後も、正しい噛み合わせを維持するために年2~3回の定期検診を受けることが大切です。