ひとことで矯正治療といっても、一人ひとりの不正咬合の状態も違えば、原因も様々です。
そのため、治療の開始にあたっては、しっかりとした検査・分析が必要となります。
ここには不正咬合の分類や、一般的な治療方法などを紹介しますが、詳しくは矯正歯科医にご相談ください。
症状について
出っ歯(上顎前突)
下の前歯に対して上の前歯が正常よりも大きく前に出ている状態のことです。
原因は、上の歯が飛び出していることや、上あごが大きい場合、あるいは逆に下あごが小さい場合など、個人により異なります。そのため、精密検査で原因を突き止め、それに対する治療法を選択していく必要があります。
成長期の患者様に対しては、骨格に問題がある場合、成長を利用して、骨格を改善することで、成長後の矯正歯科治療を有利に進めていくことができ、治療後の歯並びがより美しくなる可能性が高まります。
大人の患者様に対する治療は、マルチブラケットシステムやマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて行っていきますが、その際に抜歯が必要になる場合があります。
受け口(下顎前突)
正常な歯並びでは、上の前歯が下の前歯より前方に位置するのに対し、下顎前突の患者様は、下の前歯が前にあります。
原因は下の前歯が飛び出していることや、上の前歯が引っ込んでいること、下あごの骨が大きい、あるいは逆に上あごの骨が小さい場合など、個人により原因は様々です。そのため、精密検査で原因を突き止め、それに対する治療法を選択していく必要があります。
成長期の患者様に対しては、骨格に問題がある場合は、成長を利用して、下顎の成長を抑制、あるいは上顎の成長を促進することにより治療をします。また、下の前歯が飛び出していたり、上の前歯が引っ込んでいることで、受け口になっている場合も、自然に治らないことがほとんどですので、早期に正常な状態にし、骨の正常な成長を妨げないことが大事になってきます。
大人の患者様に対する治療は、一般的にはマルチブラケットシステムやマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて行っていきますが、重度の下顎前突である場合には、外科的矯正治療の対象になる場合があります。
過蓋咬合
理想的なかみ合わせでは、かみ合わせた時に、上の前歯が下の前歯を覆う量が、下の前歯の1/2~1/3ほどとされています。それ以上に上の前歯が下の前歯を覆っている場合には、食べ物を前歯で噛み切る際に、上あごの粘膜に下の前歯が噛みこみ、傷ついてしまうなど、食事の際に不都合が生じることがあります。
成長期の患者様に対しては、自身で取り外して使用するバイオネータという装置や、マルチブラケット装置にて治療していきます。
大人の患者様に対する治療は、マルチブラケットシステムやマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて行っていきます。
開咬
理想的なかみ合わせでは、かみ合わせた時に、上の前歯が下の前歯を覆う量が、下の前歯の1/2~1/3ほどとされていますが、開咬の患者様は、奥歯が当たっていても、前歯がかみ合いません。この場合は、食べ物を前歯で噛み切ることはできませんし、食べているものが外へこぼれやすくなってしまします。
原因は、舌を上下前歯の間に挟む癖がある場合が多く、舌の位置を正常化させるような装置を組み込みながら、マルチブラケットシステムやマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて治療していきます。
叢生(乱杭歯)
歯が植わっているあごの骨に、歯がおさまりきらずに重なって生えてしまっている状態で、矯正歯科治療をされる患者様の多くが、このことを気にして治療を希望されます。
原因は歯が大きいこと、骨の大きさが小さいこと、歯が生える位置が悪かった場合や、乳歯の時に虫歯がおおく、永久歯が生えてくるスペースを確保できず、隣の歯が寄ってきてしまっている場合など、様々なケースがあります。
治療では、歯を並べるスペースを作るための装置を使用し、さらにマルチブラケット装置やマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて重なっている歯をきれいに並べますが、歯が大きすぎるなどの理由で、歯が並びきらないと判断された場合には抜歯が必要になることがあります。
早期に治療を開始した場合には、歯を並べるスペースを、確保することができる可能性が高まるため、抜歯を回避できることがあります。
空隙歯列(すきっ歯)
歯と歯の間に隙間がある状態で、いわゆるすきっ歯です。
原因は歯の数が足りないことや、骨の中に余分な歯が埋まっていること、舌を前方に突出させる癖があることなどが考えられます。
治療法は、癖や余分な歯があった場合は、原因を除去するとともに、マルチブラケットシステムやマウスピース型カスタムメイド矯正装置にて空隙を詰めていきます。
矯正治療の流れ
- 1. 無料カウンセリング
- まず患者さまのお口の中、顔貌などを拝見しながら、歯並びの悩みや気になることなどをお伺いします。現在の状況と治療の概略(装置器具、期間、費用等)をお話しします。
カウンセリングには30分ほどお時間を頂きます。
お気軽にご予約下さい。
ご予約は078-855-4640、またはネット予約にてお待ちしております。
- 2. 矯正のための検査
- 現状の歯並びにおいてどこに問題があるのかを調べるため、上下の歯の模型、レントゲン、お口や顔の写真などを取らせていただきます。
そのデータをコンピューター等で様々な方法を用いて細かく分析し、患者様に用いる装置や、治療法を検討します。
- 3. 歯並びの問題点、治療方針、金額及び治療期間についての説明
- 採得したお口の資料をもとに、現在の歯並びにおける問題点と今後予想される問題点についておはなしします。
それを解決するための方法、矯正装置を患者様のご希望をお伺いしながら説明し決めていきます。
また、矯正料金や期間などについて詳しくご説明いたします。
当院のシステムに基づき無理のないお支払方法をご提案しますので、納得いくまで、 じっくりとご相談ください。
- 4. 矯正治療スタート(月1回程度)
- お一人お一人の歯並びの状態や、治療の進み具合によって通院間隔はさまざまですが、1か月に1度くらいの頻度で、矯正装置の調整を行います。
- 5. 矯正治療終了、メンテナンス
- 歯が目標の位置に移動し歯並びが揃いましたら、矯正装置を外し、後戻りを防ぐための装置(リテーナー)につけかえます。
矯正治療の効果を長持ちさせるために、 装置を外してからも2年くらいは経過を診ていきます。
歯列矯正の種類
患者様の個々のケースに合わせていろいろなタイプの歯列矯正装置がございます。
ここでは代表的な歯列矯正の方法について、ご紹介いたします。
小児矯正
矯正治療において、成長のあるお子様に対して行う治療をⅠ期治療、永久歯が生えそろってから行う治療をⅡ期治療とステージ分けします。
Ⅰ期治療においてはなるべく歯の生えるスペースを獲得し、上下の顎における前後的な不調和(出っ歯や受け口)を治していくような装置を選択し、かみ合わせのおおまかな土台を作ります。
Ⅱ期治療においては、Ⅰ期治療では改善できないような細かな歯のねじれや、隙間を閉じるような装置を選択し、最終的なかみ合わせを完成させます。
マルチブラケットシステム
おおよそ中学生以降の一般的な矯正方法で、歯の表面に『マルチブラケット装置』という矯正装置を取りつけ、メタルなどのワイヤーを通して固定させることで、歯を引っ張っていきます。
当院では見た目が気になる方のニーズにお応えするため、歯の色に近いホワイトブラケットやホワイトワイヤーを取り入れています。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置
ブラケットやワイヤーを使わず、透明なプラスチック製の矯正装置を口の中に装着する方法です。メリットは矯正装置がまったく目立たないということ。またブラケットやワイヤーのように、口の中の違和感がなく、自分で取り外しができます。
「マウスピース型カスタムメイド矯正装置インビザライン」システムは、最新の歯科矯正理論と、米国アライン・テクノロジー社独自の3次元画像化技術やCAD/CAM(光造形)等の最先端技術を融合させた、新しい アプローチの歯科矯正治療システムです。
「クリンチェック ソフトウェア」と呼ばれる独自の3D(3次元)シミュレーションソフトを通じて、治療完了に至るまでの総合的な治療計画の立案・検討を行って頂きます。
治療計画に基づき「アライナー」と呼ばれる、透明で可撤式のマウスピース型の矯正装置が製造され ます。形状の異なる複数のアライナーを段階的に、通常は2週間毎に新しいアライナーに交換しながら、連続して使用することで、歯を除々に移動させます。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。